今年はあっという間に梅雨があけましたね。少し時期がずれてしまいましたが雨の時期によく聞かれること、災害への備えについて綴らせていただきます。ディレクター藤井です。
白川の真横に暮らす我が家は大雨の季節になるとよく聞かれることですが、水の災害は大丈夫?ということ。大雨に関わらず九州は台風も大きなものがきますし、9年前に起きた熊本地震も私の中では災害へ対する想いを強く変化させた出来事でした。
まずは土地を決めたころのお話を少し。白川と遠くの山々、俵山の風車など熊本ならではの自然がギュッとつまったこの景色に夫婦でひとめぼれし、現地をはじめて訪れた日にほぼ即決状態で帰路につきました。ただ、最高の景色なだけに白川がとにかく近すぎる。私たちが土地を買う7年ほど前に白川で水害が起き多くの被害が出たことは当時入社2年目でホームパーティのディレクターとして日々駆け回っていた私にとって衝撃的な出来事でしたので白川についてはしっかりと確認を行って購入を決めようという話に夫婦で落ち着きました。
まずは川の形状を重視。大きく川が曲がっているような場所だと急に水量が増した時にうまく流れきれず溢れてしまうのではないかと考えました。検討していた土地の横の川は幸いにもまっすぐに流れていく形状でしたのでそこはクリア。
そして1番参考になったのはこの地域に長く住む方々のお話です。地主さんや親切な当時の自治会長さんが白川の水害が起きた時の川の写真を見せてくださり、ぎりぎりでしたが川の水が溢れていない様子を確認しました。また、その後の河川改修工事で堤防の高さがさらに高くなったことなど写真を添えて丁寧に教えてくださり大きな安心材料となり、我が家のお家の計画は無事にスタートをきりました。
▽擁壁の段差がついている上の部分が河川改修工事で増設された部分です。
時は流れて、私たちが白川ビューで暮らしだして3か月ほど経った頃に災害級の大雨が降りました。ニュースでも警告がたくさん流れていたので優しいお隣さんが念のために避難所の場所を伝えに来てくださり、万が一に備えて連絡先も交換。地域の消防団や水防団の皆さんも夕方からずっと待機をされている状況で、深夜遅くにサイレンと水防団の方がインターホンを鳴らして下さり夜中に避難所へ避難をしました。
たまたま数時間で自宅に帰ることが出来ましたが、当時は上の娘がお腹にいる中での避難で不安がとても大きかったことをよく覚えています。
その教訓から翌年からは子供も生まれていたので、少しでも危険を感じたら事前にビジネスホテルを予約しホテル避難を行いました。(判断が遅れると周辺のホテルは予約で埋まってしまいます。)今までに2度ホテル避難をしましたが、無事に被害が出るような災害にならず終えています。
避難以外にも災害への備えとして、避難グッズをいくつか揃えて玄関土間に置いています。
大きなリュックに非常食や水、エアマット、エアクッション、体を温めるアルミ製のシートやウェットティッシュ、他にはマスクや軍手、カッパ、割り箸、電池式のスマホの充電器や懐中電灯などを入れています。小さなリュックには子供用のお菓子や非常食、オムツ、おしりふき、アルコールスプレー、子供用のストロー付きのパック麦茶、使い捨てスプーンなどを。少し前までは使い捨ての哺乳瓶や液体の缶ミルク、離乳食などを入れていました。4歳の娘なら背負う事も可能な大きさにしています。
これからのアウトドアな遊びにも持参すると便利だと思い、今年から踏み台の形状をした簡易トイレも追加しました。
△たたむとコンパクトな非常用トイレです。物撮りも邪魔が入ってしまいます・・・
また、普段飲む用にストックしているミネラルウォーターも持ち運べるよう持ち手のついたバスケットに普段から収納して玄関近くに置いています。普段はここから冷蔵庫に入れたり持ち出したりしていますし、万が一はバスケットごと外に運ぶ仕様です。普段使いも兼ねているので期限を気にせずストックできる事も利点だと思います。(本当はもうちょっと素敵な入れ物にしたいのですが、大きさと形状と運びやすさといろいろと吟味中です。)
簡易のコンロや食器、鍋などのこざこざのアウトドア用品も一式まとめて持ち出し可能な状態で普段から保管しています。これはキッチンの背面収納です。円柱型のシリコン製の蓋付きバケツのようなものに詰め込んでいます。
熊本地震の際に余震が落ち着いたら室内に入って必要なものを持ち出す事が出来たのでパッと入ってさっと持ち出せるようこのような形をとっています。
また、熊本では毎年と言っていいほど発生する大雨や台風の特徴をあげると、事前の予報である程度の規模がわかること。突然起きる地震と違って早めの対策が可能です。川沿いで暮らす我々夫婦が欠かさず確認するものは「Yahoo!天気」の河川水位情報です。大雨が予報されたら自宅横のエリアと少し上流のエリアの情報をかならずチェックし避難の判断基準にしたり、避難先からも現在の状況を確認したりと活用しています。普段から雨雲レーダーなどの情報もよく活用しているので、おすすめのお天気アプリです。
災害の備えを行う際の心得は「何もなかったら1番、少しでも不安があれば命を守る行動をする。」これに尽きます。何か起きてからでは遅いのが災害。事前にわかる事に対しては早め早めに動き、地震などには避難グッズなど揃えて備えをする。
「自然と暮らす」ことは大人も子供も楽しく過ごせる日々の方が圧倒的に多いです。ですが自然ならではの危険ももちろんあるので白川ビューで暮らす我が子たちにはたまに訪れるリスクについては理解して、対応力をつけてほしいです。そのために私たち親が出来ることは川沿いで暮らす上での行動の仕方を幼い頃から見せていくこと。そしてこの先自分や大切な人の身を守れる判断の出来るひとに育ってくれたら嬉しいです。
今日はちょっとだけ真面目な内容でしたが私が自然豊かな場所で暮らす上で、自然災害への備えは必須だと感じていますので少しばかり綴らせていただきました。
お庭のブルーベリーも色付きだしました。備えをしながら自然と豊かに暮らす、そんな生活をこれからもご紹介していけたらと思います。
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